パタゴニア R2 廃盤 なぜ?2021年突然消えた理由

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長年愛されてきたパタゴニアの定番フリース「R2ジャケット」が、2021年秋冬シーズンを最後に突然廃盤となりました。登山やアウトドアはもちろん、日常でも活躍してきた人気モデルがなぜ姿を消したのか、多くの愛用者が疑問と寂しさを感じています。本記事では、素材転換やブランド戦略の変化といった背景から、廃盤に至った理由を深掘りします。さらに、2018年のモデルチェンジでの仕様変更や評価の分かれ目も解説。後継候補とされる「リツール・ジャケット」や他ブランドの類似モデル、中古市場での入手ポイントまで網羅します。読めばR2ジャケットの歴史と廃盤の真相、そして次に選ぶべき一着が明確になります。

 

パタゴニアR2ジャケットが突然廃盤に―2021年秋冬の衝撃

定番フリースがカタログから消えた背景

長年パタゴニアの秋冬ラインナップを支えてきた「R2ジャケット」が、2021年秋冬シーズンを最後にカタログから姿を消しました。
1999年の初登場以来、アウトドア愛好家からタウンユース派まで幅広く支持を得ていた定番モデルです。突如として廃盤になった事実は、多くのファンにとって驚きと戸惑いを与えました。

背景には単なる人気低下ではなく、ブランドの方向性の変化や素材戦略の見直しが関係しています。特に、近年パタゴニアが推進している「リサイクル素材100%化」という環境方針は、製品ラインナップ全体に影響を与える大きな要因となっています。

発売から廃盤までの年表とモデル変遷

R2ジャケットは20年以上の歴史を持ち、その間に何度も仕様やデザインが刷新されました。以下の年表は主要な変遷をまとめたものです。

出来事 主な特徴
1999年 初代モデル発売 Polartec Thermal Pro採用、ゆったりシルエット
2012年 細身化 中間着としての機能を強化
2018年 大幅モデルチェンジ シルエットをやや緩めに変更、袖口もフリースに統一
2021年秋冬 廃盤 カタログから完全削除

この年表を見ると、2018年の仕様変更が廃盤への転機となっていることがわかります。デザインや用途の方向転換が、その後の存続に影響を及ぼしました。

パタゴニア R2 廃盤 なぜ?主な理由を深掘り

素材転換の壁―Polartecからリサイクルポリエステルへの移行問題

R2ジャケット最大の特徴は、Polartec Thermal ProやPolartec Power Gridといった高性能フリース素材を採用していた点です。これらは軽量性と保温性のバランスに優れていましたが、完全リサイクル素材への置き換えが難しいという課題を抱えていました。

パタゴニアは全製品におけるリサイクル素材比率を高める方針を打ち出しており、その中でR2ジャケットは例外的な存在になっていました。この素材問題が、廃盤を決定づけた大きな要因と考えられます。

テクニカルウェアとしての役割終了説

2010年代後半から、パタゴニアのテクニカル中間着はナノエアジャケットやマイクロパフといった新型モデルが中心になりました。これらは軽量性、防風性、透湿性の面でR2を上回るスペックを持ち、現場での使用頻度が高まりました。

その結果、R2ジャケットはテクニカル用途において役割を終え、競合する自社製品の影に隠れる形となりました。

ライフスタイル寄りへのシフトと中途半端な立ち位置

2018年のモデルチェンジで、R2ジャケットはシルエットが緩くなり、袖口もフリース素材に統一されるなど、日常使いを意識した仕様になりました。
しかし、テクニカル寄りとしては性能が古く、ライフスタイル寄りとしてはデザインや素材がやや無骨で、結果的に中途半端なポジションに陥りました。

廃盤直前モデルの特徴と変化点

2018年モデルチェンジでのシルエット変更

旧モデルはフィット感が高く、アウトドア活動中のレイヤリングに適していましたが、2018年モデルでは胴回りや腕のシルエットが緩やかになりました。
さらに、着丈が短くなり、袖口や腕部分はすべて起毛フリースで統一され、全体的にカジュアルな印象が強まりました。

アウトドア愛好家と日常派、それぞれの評価の分かれ目

  • アウトドア派:フィット感の低下や重量増加に不満 
  • 日常派:着やすさや汎用性が向上し高評価 

この二極化した評価は、製品の方向性を曖昧にし、ブランド内での立ち位置をさらに難しくしました。

パタゴニアの製品戦略から見るR2廃盤の必然性

ナノエアやマイクロパフに引き継がれた役割

R2ジャケットが担っていた中間着としての役割は、すでにナノエアジャケットやマイクロパフがカバーしています。これらは軽量性・防風性・透湿性で優れ、最新の環境配慮素材を使用しているため、ブランド戦略的にも優位です。

環境方針とラインナップ整理の関係

パタゴニアは全製品でのリサイクル素材採用と、製品数の最適化を進めています。
R2ジャケットは素材面で方針に合致せず、後継モデルが現れるまで時間を置く判断に至ったと見られます。
このように、環境方針と製品整理の両輪で見ても、廃盤は必然的な流れでした。

R2ジャケットの後継はこれ?代替候補まとめ

2023年登場の「リツール・ジャケット」の実力

2023年秋冬シーズンに登場した「リツール・ジャケット」は、R2ジャケットの雰囲気を色濃く引き継いだモデルです。見た目や着心地の面ではかなり近く、ファンからも「事実上の後継」と評されています。
ただし、細部は大きく異なります。素材はPolartecではなくリサイクルポリエステルを採用し、重量はR2の約380gに対して約522gと約1.37倍重くなりました。この差は着用感や用途選びに影響します。

主な仕様比較

項目 R2ジャケット(廃盤モデル) リツール・ジャケット
素材 Polartec Thermal Pro / Power Grid リサイクルポリエステル
重量 約380g 約522g
用途 中間着(アウトドア寄り) 普段使い寄り
デザイン テクニカル感強め カジュアル寄り

リツールはレトロXより柔らかく、日常や旅行に適した快適性があります。普段着中心の方には最適ですが、雪山登山や長時間のテクニカル用途では物足りなさを感じる可能性があります。

他ブランドの類似モデル(Arc’teryx・モンベル等)

R2の性能やシルエットを求めるなら、他ブランドも候補になります。特に高性能フリースに強いブランドは次の通りです。

  • Arc’teryx Kyaniteシリーズ
    Polartec Power Stretch Proを採用し、伸縮性と保温性が高い。シルエットはやや細身でレイヤリングに最適。 
  • モンベル クリマプロシリーズ
    軽量で透湿性が高く、日本の登山環境に合う仕様。価格も3万円前後と比較的手頃。 
  • マムート Aconcaguaシリーズ
    動きやすい立体裁断で、寒冷地のアクティビティにも対応可能。 

これらは現行品で入手しやすく、R2の代替として性能面で遜色がありません。

古着市場やアウトレットでの入手可能性

廃盤後もR2ジャケットは中古市場で根強い人気があります。ヤフオクやメルカリでは状態や年式によって価格が大きく変動します。

  • 美品(2018年以降モデル):15,000〜20,000円前後 
  • 旧モデル(2012〜2017年):10,000〜15,000円前後 
  • 初期モデル(1999〜2005年):コレクター需要で高値になる場合あり 

また、地方のパタゴニア直営アウトレットや稀に海外のセールでも在庫が見つかる場合があります。ただし人気サイズや色はすぐ売り切れるため、こまめなチェックが必要です。

R2ファンのための選び方ガイド

廃盤前モデルの見分け方(タグ・素材・重量)

廃盤前のR2ジャケットを中古で探す場合、以下のポイントを押さえると見分けやすくなります。

  • タグの表記:2018年モデル以降は「Recycled Polyester」の記載がある 
  • 素材感:旧モデルは毛足が長く柔らかい感触、新モデルはやや短めで密度高め 
  • 重量:旧モデル約370〜380g、新モデルは400g台前半 

タグと素材感を同時に確認することで、年式をほぼ特定できます。

普段使いとアウトドア用途で選ぶポイント

R2の後継や代替を選ぶ際には、利用シーンで選択肢が変わります。

  • 普段使い中心
    → リツール・ジャケットやモンベルの軽量フリースが快適 
  • 登山やバックカントリー中心
    → Arc’teryx Kyaniteやマムート Aconcaguaのようなテクニカル寄りモデル 
  • 長期旅行やキャンプ
    → 軽量で乾きやすいモンベル クリマプロが便利 

まとめ―R2ジャケットが教えてくれるパタゴニアの方向性

R2ジャケットの廃盤は、単なる人気の変化ではなく、ブランドが環境方針と製品戦略を見直した結果です。Polartec素材からリサイクルポリエステルへの転換や、最新モデルへの役割移行が大きな背景となりました。

後継とされるリツール・ジャケットは普段使い寄りに進化し、他ブランドや中古市場も選択肢として広がっています。
R2の歴史は、パタゴニアが常に性能・環境配慮・市場ニーズのバランスを取りながら製品を進化させてきた証でもあります。
この流れを知ることで、今後のモデル選びにも確信を持って臨めるはずです。

 

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